お客様の経理に関する資料は、できるかぎり原始証憑をお預かりするようにしています。原始証憑とは、請求書や領収書などを言います。
その理由は色々ありますが、一つは領収書を一枚々々見ることで、お客様の日々の活動を追体験することができるからです。
例えば、出張の多いお客様であれば、今日は宮崎のホテルに宿泊し次の日は鹿児島のホテルに宿泊し、といったことを机の上の領収書を見ながら追体験することができます。
日々の業務活動を人間に例えると、商品を仕入れてから販売するまでの流れを「動脈」に、販売してから代金を回収するまでの流れを「静脈」に例えることができると思います。
税理士がお預かりした領収書を一枚々々見ることで、その会社の静脈の流れ、つまりは会社の業務活動の半分を見ることができると思っています。
この「見る」作業を何年間か続けると、追体験のストックがそれなりに貯まり、その会社の全体像を、なんとなく把握できるような気がするのです。
そしてお客様からご相談を頂いた際に、全体像をなんとなく把握していれば、より的確に対応できるのではないかと思っています。