赤字でも使える賃上げ促進税制

こんにちは。佐賀市の税理士、堤税理士事務所です。

昨年度の税制改正により、「中小企業向けの賃上げ促進税制」に新たな仕組みが加わりました。
賃上げ促進税制とは、社員さんの給与を前年度より増やした企業や個人事業主が、一定の要件を満たすことで法人税や所得税の税額控除を受けられる制度です。

 

 

これまで制度自体は知られていても、「黒字でなければ使えない」という点が実務上のネックになるケースも少なくありませんでしたが、今回の改正でその取り扱いが大きく変わっています。

赤字でも恩恵が受けられるように

従来の制度では、赤字決算の場合、社員さんの給与を引き上げていても法人税や所得税が発生しないため、税額控除のメリットを実際に受けることができませんでした。

 

今回の改正により、「控除しきれなかった金額を5年間繰り越せる」仕組みが導入され、赤字決算であっても将来の税負担軽減につなげられるようになっています。

 

 

法人については、令和6年4月1日以降に開始する事業年度から適用されます。
3月決算の法人様であれば、今年の決算から順次、この新制度の対象となります。

申告の際は書類添付がポイント

5年間の繰り越しを適用するためには、確定申告書に一定の書類を添付することが要件とされています。

 

赤字申告の場合、「どうせ税金が出ないから」と判断してしまうと、この書類添付を失念し、結果として将来の控除が受けられなくなる可能性があります。

 

 

当事務所でも、決算時には賃上げ促進税制の適用可否を必ず確認するようになりました。
社員さんを雇用されているお客様が多いため、従来以上に制度内容を踏まえた慎重な対応が求められています。

おわりに(佐賀で税理士として感じること)

佐賀を中心に中小企業のお客様を日々ご支援する中で、税制改正が実務に与える影響の大きさを改めて感じています。

 

制度は「知っているか」「正しく手続きをしているか」で、将来の税負担に大きな差が生じることもあります。
今後も制度の趣旨と実務を踏まえながら、丁寧なサポートを続けてまいります。