圧縮記帳のしくみ

こんにちは。佐賀市で税務サポートを行っている堤税理士事務所です。
2021年も年末を迎え、事業者さまから設備投資のご相談を受ける機会が増えてきました。

 

税務の世界では制度改正が毎年のように行われ、特に法人税・所得税の分野では専門的な判断が必要になることも少なくありません。
佐賀の事業者さまを支援する税理士として、今回は設備取得に伴う税負担の急増を調整するための制度「圧縮記帳」について整理してみたいと思います。

設備取得で税負担が跳ね上がるケース

臨時の収入と設備取得が同時に発生すると、会計上の利益が大きくなり税負担が増えることがあります。

 

事業を続けていると、想定外の出来事が発生することがあります。

特に次のようなケースでは、一時的に利益が膨らみ、税額も増加する傾向があります。

  • 国庫補助金を利用して設備を取得した場合

  • 災害により既存設備が滅失し、保険金で代替設備を取得した場合

  • 所有土地が収用され、補償金を受け取って代替資産を取得した場合

通常の会計処理では、補助金などの収入はそのまま当期の利益となり、一方で取得した設備は減価償却によって数年〜数十年かけて経費化します。
その結果、補助金を受領した年だけ利益が突出し、税額が急増するという状況が生じます。

 

 

こうしたイレギュラーなケースは、会計上も税務上も特別な配慮が必要になる場面です。

圧縮記帳とは

 

臨時的な収入と設備取得を調整するための課税繰延制度です。

 

補助金や保険金などの臨時収入を伴って設備を取得した際、圧縮記帳を適用すると取得資産の帳簿価額を一定額減額できます。
減額した部分は経費として処理され、臨時収入との相殺が行われるため、当期の課税所得を抑えることができます。

 

会計・税務では独特の専門用語が多いですが、圧縮記帳はその代表例といえるでしょう。

課税の延期という制度的な位置づけ

圧縮記帳は節税ではなく“課税を後ろへずらす仕組み”です。

 

圧縮記帳を行うと、取得した資産の帳簿価額が減額されるため、以後の減価償却費も減少します。
つまり、現在の税負担を軽減し、その分を将来の年度に回すという制度です。

 

一般には「課税の繰延制度」と呼ばれることもあります。

 

なお、法人税は利益の金額により税率が変動する仕組みがあります。

そのため、圧縮記帳により“税率の低い年度に利益を移す”ことで、結果として税負担が軽減されるケースも見られます。

おわりに(佐賀の税理士としての実務から)

一般的に、中小企業では補助金や保険金を伴う大規模な設備投資は頻繁に発生するものではありません。
そのため、佐賀の税理士として日常的に活用する制度とはいえませんが、状況次第では大きな効果を発揮する場合もあります。

 

突発的な設備取得や補助金の受け取りがあった際には、税負担の見通しを立てるうえでも圧縮記帳の検討は重要です。

 

 

佐賀市で日々の税務に寄り添う税理士として、引き続きわかりやすい情報をお届けできればと思います。