圧縮記帳

イチョウの落ち葉が地面を黄色に染める季節、朝晩めっきり冷え込んできました。

他の業界と同様、会計の世界にも特殊な言い回しがあり、「圧縮記帳」はその代表例です。

 

事業を営んでいると様々な出来事が起こります。

イレギュラーな出来事の状況下で設備を取得すると、一時的に税負担が急上昇することがあります。

例えば、次のような出来事が挙げられます。

 

・国庫補助金を受けて設備を取得した場合

・災害で既存設備が滅失した場合に、保険金で代替設備を取得した場合

 

このときに税負担の急上昇を緩和させる制度の一つが圧縮記帳です。

 

 

緩和された税負担は免除されるのではなく、ほとぼりが冷めたころに徴収されます。従って、「課税の延期制度」などとよく言われます。

 

節税効果がない点と、この制度を検討するほどの大規模な設備取得や税負担の激増が地方の零細企業ではレアケースである点から、佐賀の税理士として利用する機会はさほど多くはありません。

 

ただ、所得税ほどではありませんが、法人税も利益の大きさに応じて税率が高くなる仕組みです。いくつかの条件が重なれば、この税率差を利用して圧縮記帳で節税を図ることも可能なケースがあります。