2023/09/07
昼間はセミの声が聞こえますが、日が沈むと秋の虫の声。季節の移り変わりを感じます。
独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する経営セーフティ共済という制度があります。
中小企業が取引先の倒産に伴い連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐため、掛金をコツコツと積み立て、万一の場合には、これまでの掛金に応じて借入を受けられる制度です。
堤税理士事務所では、佐賀のお客様のリスクヘッジのため、積極的に本制度の提案を行っています。
幸いなことに、この制度を利用せざるを得ないほどの致命傷を負ったお客様は、今の所おられません。
今後もそのようなケースはレアなのではないかと思っています。
実際に、この制度で将来の経営難に備えましょう、と社長さんに説明しても反応が薄かったりします。
従って、掛金が経費扱いとなる点や、中途解約であっても40か月以上納めていれば掛金全額が戻ってくるという特徴を生かして、本来の制度趣旨からは外れますが、役員退職金の積立目的や、将来の大規模な支出への積立目的といった、もっと身近な利用を思い浮かべてもらうことを念頭に提案しています。
2023/07/07
梅雨の合間を縫って、遠くセミの声が聞こえます。
さて、請求書や領収書など、帳簿作成に必要な書類を電子取引(電子メールやネット上のダウンロードなど)で授受した場合、印刷して紙保存していると思います。
電子帳簿保存法の定めにより、今後は電子データのまま保存することとなります。
当初は令和4年より電子保存が義務化となる予定でしたが、2年間の猶予措置を経て令和6年1月からの開始となります。
電子保存に際して一定の要件を満たす必要があります。
このうち、検索可能な状態で電子保存しなければならない点が難所で、2年前の佐賀のお客様への制度説明の際は、殆どの方が余計な事務負担が増えると感じておられました。
また、インボイス制度と開始時期が前後するため、両制度への同時対応が難しいお客様もおられるのでは、と危惧していました。
令和5年度税制改正で新たな猶予措置が設けられ、相当の理由がある場合は、従来の紙保存とともに電子データ自体も保存すれば、各保存要件が不要とされました。
この「相当の理由」の内容も、お客様の実情に応じて適用範囲が広いとの見方もあるようです。
2023/06/01
先日、九州北部地方が梅雨入りしたとみられるとの発表がありました。昨年より2週間程度早い梅雨入り。
この梅雨が明け、夏の暑さが和らぐころに消費税のインボイス制度が実施されます。
以前「インボイスはやりません」と明言されたお客様が「やっぱり対応した方がいいでしょうか?」と相談に来られることもチラホラ…
制度開始が近づいていることを実感します。
巷では評判の良くないインボイス制度ですが、令和元年10月に始まった消費税の複数税率(8%と10%)に対応するために必要な制度とされています。
例えば、佐賀市のある社長さんが和菓子屋さんでお客様向けの土産品を買うケース。
税理士側へお渡しいただいた領収書には消費税率が記載されてなく、摘要欄にも「お品代」としか書かれていない、ということがあります。
状況からみて、お菓子の持ち帰りだろうから消費税率は8%だろう、と想像されますが、正確なところは土産品を買った社長にしか分かりません。
インボイス制度の開始後は、領収書に税率がキチンと記載されるので、経理担当者は変なところで悩まなくて済む、というメリットもあります。
2023/04/03
今年の桜の開花は例年より早かったようで、先週末から花びらの脇に小さな葉を見かけるようになりました。
個人事業の佐賀のお客様の確定申告が終わっても、直ちに閑散期に入る訳ではありません。
法人のお客様の会計処理が溜まっていたり、確定申告の残務処理が残っているからです。
とはいえ、これらのお仕事は法定期限がない分、忙しい中にも多少気持ちのゆとりが芽生えてきます。
堤税理士事務所では、確定申告を終えたお客様の消費税の見直しをする時期でもあります。
消費税の計算方法は2パターンあり、そのどちらを採用するかで税額に有利不利が生じます。
税額が低くなる方をその都度チョイスできれば良いのですが、実務上は、過去の売上高や届出書の提出状況、設備投資の状況に応じた細かい決め事に従って計算方法が決まります。
今回の確定申告の結果に基づき、果たしてどちらの計算方法が税額が低かったのかを試算し、将来の申告に向けてお客様へフィードバックします。
今年はインボイス制度が始まるイレギュラーな年。消費税の細かい決め事が更に細かくなりますので、気を引き締めていく年でもあります。
2022/12/19
朝の冷え込みが厳しくなったと思ったら、もう年の瀬が迫っています。この時期には珍しく、平地でも雪が積もりました。
堤税理士事務所では、お客様への消費税のインボイス制度に関する説明はひと段落し、先月よりインボイス制度の登録をご希望の方に対する登録作業をおこなっています。
登録を済ませた方は、国税庁ホームページのインボイス制度公表サイトで公表されます。
通常、個人事業主は氏名のみが公表されますので、お客様に対し、屋号やお店の場所などの追加情報を公表するかどうかのご意向も併せて確認しています。
取引先からインボイス制度への対応方針を問い合わせを受けている佐賀のお客様も出始めており、制度開始がひたひたと迫っていることを実感します。
来春以降、個々のお客様ごとに、インボイスを作成する方法の検討や、会計システム・受注システムの改修に関する相談に対応していく予定です。
先日発表された来年度の税制改正大綱ではインボイス制度の変更が加えられており、今後も細かい取り扱いは変更されたり追加されていくものと思います。
2022/10/14
今年も保険会社から保険料控除証明書が届く季節となりました。朝晩めっきり涼しくなりましたね。
来秋の消費税・インボイス制度の開始まで1年を切りました。
堤税理士事務所でも佐賀のお客様へこの制度の周知を夏から行っており、ほとんどの方への説明が終わったところです。
「初めて聞いたよ」という佐賀市のお客様から、「同業で噂になってるので内容は大体知ってるよ」という佐賀県の社長さんまで、いろいろな反応がありました。
制度開始と同時に利用するには、来年3月末までに登録をする必要があります。
先日の新聞で、この制度への登録を済ませた消費税課税事業者が全体の40%弱と、まだまだ低調であるとの記事を見かけました。
所得税の確定申告明けである3月中旬以降の駆け込み登録も予想されます。
ただ、登録はインボイス制度への対応の始まりに過ぎず、社内システムの改修や取引先対応などの準備作業が順次必要になります。
従って、登録のご意向を示されたお客様については、年内に登録作業を終える予定にしています。
2022/08/22
ひと頃の気温35度超えはありませんが、まだまだ暑い季節が続き油断できません。
さて、勤め先から給料をもらいながら副業をしている方が増えており、堤税理士事務所にもそのような佐賀のお客様がおられます。
税務の専門家としては、これらの方々の所得税の確定申告において、副業部分を事業所得として扱うのか雑所得として扱うのか、実務上悩ましいところです。
事業所得であれば青色申告特別控除など様々な節税が可能となる一方、雑所得であれば申告書の作成がシンプルで税理士の関与が要らなくなる、という違いがあります。
これまでは事業所得と雑所得の線引きに明確な基準がありませんでした。
そのため、お客様ごとに個別に税務署に問合せをしたり、副業収入が給与収入と同等かそれ以上の場合は「もはや副業の方が本業だよね」という理屈を作って事業所得としたりしていました。
今月頭、国税庁が副業所得の取扱いに関する改正案を発表しました。
案によると、副業収入が300万以下の場合は原則雑所得扱いとなるようです。
賛否両論あるようですが、税務上の取扱いがクリアになった点は間違いないようです。
2022/07/11
去年の今頃はまだ梅雨の最中、毎日暑い夏が続きます。
来年の10月から消費税のインボイス制度が始まります。
インボイスとは、消費税に関する情報をキチンと記載した請求書のことです。
この制度に対応するためには事前登録が必要で、その申請の受付は昨秋から始まっています。
堤税理士事務所でも、お客様へこの制度の周知を順次行っています。
ある佐賀市の法人のお客様より、何故この制度に対応しなければならないのか?という質問をいただきました。
この制度の開始後、自社がこの制度に対応していない請求書を発行すると、その取引先にご迷惑をかける(取引先の消費税の負担が重くなる)可能性があります。
また、他社が発行した請求書をキチンと保管しておかないと、自社の消費税の負担が重くなる可能性もあります。
インボイス制度への対応は任意です。
売上規模やメインの客層に応じてこの制度に対応すべきかどうかが変わってきますので、お客様へ丁寧に説明していきたいと思います。
2022/06/13
シトシトと雨が降り続きます。先週末より九州北部地方も梅雨入りしたようです。
さて、個人事業を経て法人を設立されたお客様がまず戸惑われるのは、法人税申告書の分量の多さでしょう。
所得税の申告書類は基本的に申告書2枚と青色決算書4枚の計6枚ですが、法人税の申告書類は平均で30~50枚程度。
特に資産・負債科目は、その内容を逐一、勘定科目内訳明細書という申告書の添付書類に記載することになっているため、決算作業を通じて事細かにお客様へヒアリングをする必要があります。
ヒアリングの時点で「何でそんなこと聞くの?」という表情のお客様ですが、出来上がりの申告書類を見るとその理由を納得して頂けるようです。
税理士にとっては日々作り慣れた書類であるため気に留めることもありませんが、特に初めて法人決算を迎える佐賀のお客様に対しては、申告書類の内容のご紹介など、丁寧に説明することを心掛けていきたいと思っています。
2022/05/06
近年の税制はますます複雑化しているように感じられる一方、コロナ給付金の申請のサポートなど、本業以外でも日々の業務は増殖していきます。
従って、従来の業務の軽減も常に考えていかなければなりません。
例えば、令和2年より年末調整の手続きを電子化することが可能となりました。
電子化のメリットは、勤務先・従業員の両方とも、作業の簡素化による事務負担の軽減を図ることとされています。
まだ堤税理士事務所の佐賀のお客様では年末調整の電子化をされている所は一件もありませんので、遅ればせながら電子化のために国税庁が発表した『年調ソフト』を使ってみました。
使ってみた感想としては、今まで紙ベースで行っていた作業を単に電子ベースに置き換えただけという印象で、現時点ではお客様へ勧めても劇的な効率化は図れないように感じました。
今は世の中が紙ベースから電子ベースへ移行する過渡期のため、このように感じるのは仕方のないことかもしれません。
将来的に社会全体の電子化が進めば、年末調整も当たり前のように電子化されることと思います。