こんにちは。佐賀市の税理士、堤税理士事務所です。
今回は「所得拡大促進税制」について触れてみたいと思います。
所得拡大促進税制とは
簡単に言うと、従業員の給与を前年度より増やした場合、その増加分の一部を法人税(個人事業主は所得税)から控除できる制度です。
中小企業や個人事業主にとっては、社員への還元と経営支援を両立できる制度といえます。
この税制が始まったのは約10年前になります。
制度創設当初は「面白い制度だけれど、中小企業には少し使いづらい」という印象を持っていました。
というのも、改正以前は、給与を上げた既存の社員について、"前事業年度の期首から適用年度の期末まで給与の支給を受けており、かつ雇用保険の一般被保険者であった者の昇給"といった要件が課されており、対象者の判定が細かく、ハードルが高いうえに事務負担も煩雑だったためです。
改正でより使いやすく
その後、数度の改正が行われ、令和3年度には条件が整理され、制度はかなりシンプルになりました。
大きなポイントは、従来のように「既存社員の昇給」に限定されるのではなく、賃上げに加えて、雇用を増やしたことによる給与総額の増加も評価される仕組みに見直された点です。
これにより、上記の細かな要件は撤廃され、中小企業が人を増やし、事業を拡大していく過程での所得拡大の取り組みも、税制上きちんと評価されるようになりました。
実務の現場でも、制度の使い勝手は大きく改善されたと感じています。
おわりに(佐賀の税理士としての実務から)
堤税理士事務所では、佐賀の小さな会社のお客様を中心に、日々の会計処理の中でこの制度が使えるかどうかも意識しています。
大企業ほどの大きな減税効果はありませんが、従業員の方々に還元しようと努力する社長さんに、少しでも寄り添える確定申告書を作りたい――そんな思いで日々業務に向き合っています。
※本記事は2021年9月時点の制度内容に基づいて執筆しています。
なお、この所得拡大促進税制はその後、2022年4月より「賃上げ促進税制」へと改組されています。
